GPIF、つまり年金積立金管理運用独立行政法人は、年金資産を運用していますが、これまで株高の影響で、事実上、年金保険料の不足分を金融市場での運用で補っていましたが、
2020年、新型感染症により世界的株価の大暴落により、
GPIFの1~3月期の運用は17兆円の赤字になるとみられるています(日経新聞参照)運用資産の半分は株式投資であり、現在(2020.3月末)、新型コロナウイルス感染拡大から、世界的に株安が続いており、
ダウ、日経などの主要市場では株価は軒並み、2割から3割は下落しています。今回(2020.第一四半期)は、四半期ベースで過去最大の赤字幅と予想されており、また、2019年度(平成元年4.1~令和2年3.31)全体でも8兆円前後の赤字になる見込みと予想されています(民間エコノミスト試算)
GPIFの資産配分
下表は、GPIFの資産配分(ポートフォリオ)ですが、外国株と日本株合わせて、2019年第三四半期時点では90兆円程度ありましたが、
上記試算によれば、株式運用分の1割程度棄損しているのではないかということになります。
運用方法はほぼ投資信託➡おそらくベンチマーク程度
ちなみに、GPIFは、自らファンドを運用するのではなく、投資信託で証券会社が運用しているため、運用は市場のベンチマーク程度だと考えられ、
通常投資家がし空く回避のために行う、空売り(信用売り)などは行えないと考えた方がよいと思います。
ア.運用機関に委託する場合(委託運用)は、信託銀行や投資顧問会社(以下「運用受託機関」という。)と投資一任契約(すべての投資判断を一任するものに限ります。)を締結すること
イ.自ら運用する場合(自家運用)は、国債、社債等の債券や投資信託の売買を行うこと(株式を自ら売買することは認められていません。)
出典:GPIFホームページより https://www.gpif.go.jp/gpif/faq/faq_08.html
これは、最新のポートフォリオですが、依然として、株式の比率は多くなっています。
年金資産は、運用方針を合議制で決めて、いて、あまり機動的ではありません。
年金資産の運用方法がこれでいいのかという議論はありますが、そもそも、運用に頼りきりというのもいかがなものかと思います。
年金制度そのものを含め、今年は財政再計算の年ですから、今後抜本的に見直されることが必要だと思いますが、
現在の延長線上であれば、
- 支給を遅らせる
- 保険料の値上げ
- 消費税を財源に、さらなる増税
などありきたりの方向性に進むことが容易に予想されますが、
制度自体の抜本的な見直し(保険料で賄う程度にする。ベーシックインカムの導入など)を含め、抜本的に見直す時期となっています!
今回のことを契機に議論が進むことを期待します。
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