給料(収入)がある程度決まっている以上、固定費(毎月黙っていても出ていく金額)を減らすことが、使える又は貯金できる資金を増やすのに一番の近道といえます。
一般的には、
❶住居費、❷水道光熱費❸通信費(携帯代)❹最低限の食費❺交通費(地方J場合は自動車費)
などが、一定の大きな金額になると思いますが、一番、影響が大きいのが、❶住居費(家賃や住宅ローン)です。
最初にお伝えしたいのは、住宅を買って、高く売るという話は考えないということです。
お金を持っていれば、家はキャッシュで買えますが、通常、庶民は、住宅ローンを組むことになります。住宅ローンは長期のため、利率は低くても最終的には、結構な金額の利息を月々支払うこととなるのです。
よくある言い回しとして、「資産価値が維持できる住宅を買えば、売るときに高く売れれば、払った住宅ローンの一部が返ってくる」、「住宅ローン減税が受けられる」などという売り文句をよく聞きますが、これは、庶民にとっては賃貸に住んでいるのと同じです。
そうです。35年間ローンを支払い続けるのと、賃貸するのとは、あまり違いはなく、固定資産税やメンテ費用を考慮すると、 賃貸と大差はありません。
これは3,000万円を35年ローンで借りた場合の月々の返済額の計算結果ですが、
借入金額 | 金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
---|---|---|---|
3,000万円 | 1.37 % (2019.10現在 フラット35金利) | 9 万円 | 3,779万円 |
月々、9万円を35年間支払うことになり、利息は779万円支払うことになります。これは、9万円の物件を35年間賃貸しているのと変わりはなく、35年後に不動産が手元に残ったとしても、少なくとも建物の価値は、ほぼ残っていないと考えた方がよいでしょう。
つまり、銀行に利息を寄付するか、大家に家賃を寄付するかの違いで、家というものは資産ではなく、負債でしかないのです。賃貸でも持ち家を買っても、住居費はかかり、家はお荷物なのです。
なので、負債であるならばなるべく少ない方がよいのです。つまり、住居にかかる費用をいかに安く済ますせるかが重要なのです。
※ちなみに相続などで、月々の支払いのない家を既に入手している方は、とてもラッキーなので、くれぐれも買い替えて新たなローン(負債)を支払うことのないよう用心して下さい!!
また、年収が700万円以上、世帯年収が1000万円以上あり、これが定年まで補償されているような恵まれた方については、上記の話は、誤差のようなものなので、ぜひマイホームを手に入れてください。
住居費節約のためのセコいアイデア!!
住居費節約の一番の方法は、安い住居に引っ越すことです。賃貸と持ち家と2つのパターンで解説します。
賃貸の場合の節約
❶都心(大都市圏の中心部)で賃貸の場合・・・簡単なのはより郊外や駅から離れたところに引っ越すことです。郊外でなくとも、同地域内でも駅から離れれば安くなりますので、例えば駅前のワンルームマンションが7万円だとしても、10分歩けば同じ広さで5万円という場合も多々あります。一人暮らしならば迷わず安い地域に引っ越しましょう。
※東京都23区の場合のねらい目は、中心部から遠い、練馬区、板橋区、葛飾区、江戸川区、大田区、足立区などの県境のあたりです。この辺りは、需要に対して供給が多いので、探せば、マイナーな私鉄沿線であれば、駅近も狙えます。
ここまでは、誰でもできる方法ですが、私が本当に提案したいのは、思い切って郊外に住むことです。東京の場合は 23区ではない市部、村部などならとてもよいです。また、思い切って地方のしかもターミナル駅ではない自治体に引っ越せば、住居個は格段に下がります。
東京や大阪、名古屋などの都会で働く必要のない職業の人は、迷わず、地方に住みましょう。それも政令市のような地方都市ではない方がよいでしょう。
これは少し古いですが、都道府県別の家賃相場の統計調査結果です。例えば東京の3LDKが16万円超に対し、中国地方の件は軒並み8万円を下回っています。2LDKに至っては、6万円を切る地域もあり、東京ではワンルームでも7万円するので、これは、地方に住める人は、さっさと東京から離れるべきです。
例えば、自宅で労働しているようなフリーランス、自営業者については、さっさと東京を離れるべきでしょう!
持ち家(家を買って住む)の場合|
郊外に中古住宅を買うのがおすすめです。東京都内で中古住宅は、マンションでも平均取引価格は5千万~6千万円、中古の古めのものでも4千万円くらいの購入費が必要で、多くのサラリーマンは住宅ローンを抱えています。
40歳くらいで35年ローンを組むとなると、返済は75歳です。80歳まで生きるとして、人生の大半を住宅ローンに拘束されることになりますので、ギリギリ、4000万円の住宅が買えるくらいの年収500万円程度の収入のサラリーマンは、住宅が未来拘束具とならないよう特に注意してください。
どうすれば安く住めるのか?
例えば東京近郊で言えば、東京都西部の多摩地区や近県の安い物件であれば、一千万円代の一軒家が手に入ったりします。駅から遠く離れる又は、隣の山梨県や神奈川県まで視野に入れると、1千万円以下のベンツの新車よりも安いような住宅も多く存在します。
ですので、いま都心に新しめのマンションを所有しているのであれば、ベストは都心の住宅をさっさと売却し、郊外にボロボロでもいいので、安い家を買うことです。
東京都の場合のデータ
こちらは2019.10現在の基準価格(1㎡あたりの土地価格を東京都が算定したもの)の抜粋です。以下東京都財務局が公表している 令和元年9月19日 令和元年 東京都基準地価格の概要の抜粋です。
同じ東京でも都心5区では、土地の価格は1㎡あたり130万円もするのに(それ以外の23区内でも平均50万円弱です)、西多摩地区の9万円となつています。つまり、東京都内で土地を買う場合、安いところと高いところとでは5倍~14倍の価格差があることになり、都心部に住宅を購入するということは、平均的な年収の庶民には、明らかに贅沢品であり、迷わず23区外に住むべきでしょう。
因みに、23区外の土地価格の安い地域に住む場合は、賃貸よりも購入をお勧めします。
賃貸価格は、都心から離れても、土地価格のように10/1になったりはしないので、ある程度(と言っても数百万円くらい)の資金(頭金)があるならば、郊外の(東京で言えば多摩地区などの)中古住宅を安値で買ってください。
なお、そこまでケチらなくても生活できるくらいの収入のある方は、売却性を重視し、23区内の中古マンションなどを視野に入れるべきでしょう。くれぐれも新築のタワーマンションや郊外の新築戸建てなど、デベロッパーや分譲会社の利益が明らかに乗っているであろう割高物件は避けましょう!!
2020.9追記
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の流行により、テレワークという働き方が、一定の市民権を得ています。
今こそ、郊外や地方に移り住むチャンスではないでしょうか?
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